建設業を行うためには、工事機械、資材の購入や、工事にあたっての人件費など、まとまった資金が必要となるため、一定の財産、金銭を保有している必要があります。
建設業法7条四号により「請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること」が求められ、建設業許可申請時に証明する必要があります。
金額については、一般建設業許可の場合と、特定建設業許可の場合で異なります。
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一般建設業許可の場合
次のいずれかに該当すること
(イ) 自己資本の額が500万円以上であること
自己資本とは資本金の額ではなく、貸借対照表の純資産の額です。
負債の額によって純資産が変わるため、注意が必要です。
(ロ) 500万円以上の資金を調達する能力を有すること
資金を調達する能力とは、建設業許可申請時点1カ月以内に、500万円以上の銀行預金がある場合、金融機関で発行する「預金残高証明書」により証明します。「融資証明書」により、500万円以上の資金を調達する能力を証明する場合もあります。
(ハ) 許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して営業した実績を有すること
特定建設業許可の場合
次のすべてに該当すること
(イ) 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
「欠損の額」とは、マイナスの繰越利益剰余金の額が、資本剰余金、利益準備金、利益剰余金の合計額を超えた場合、その超過した額を言います。
(ロ) 流動比率が75%以上であること
「流動比率」 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100 により算出します。
(ハ) 資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること
財産、金銭的要件の継続
特定建設業許可を更新する際も、財産、金銭的は満たしている必要があります。逆に、一般建設業許可の更新の場合、(ハ)に該当するため、500万円を下回っていても更新が受けられます。
まとめ
財産、金銭的要件は、一般建設業許可の場合でも、まとまった資金が必要となるため、用意するのが難しいケースもあります。しかし、建設業は多くのお金が動く業種のため、建設業許可取得後の経営にあたっても、多めに確保しておく必要があります。