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経営管理責任者の役割
建設業許可が必要な工事は、規模の大きな工事が見込まれるため、工事金額が大きくなることや、工事期間が長期間におよぶことが考えられます。
そのため工事の途中で建設業者の経営が悪化し、発注者側に不利益が生じることがないよう、建設業者側に経営業務を管理する能力のある者の配置を求めています。この方のことを、経営管理責任者といいます。
経営管理責任者の役割として、次のことが挙げられます。
1.経営全般の統括
- 事業計画の策定・実行
- 建設業の運営管理(受注・契約・施工管理・資金管理など)
2.財務管理
- 事業資金の管理と適切な運用
- 施工に必要な資材・人材の確保
- 取引先との契約管理・請求業務
3.施工管理者との連携
- 専任技術者(技術者としての資格を有する者)との連携
- 施工品質の確保と安全管理体制の整備
- 適切な人材配置と技術者育成
4.建設業法の遵守
- 建設業法や関連法令を理解し、適切な業務運営を行う
- 違法行為の防止
- 適切な許可の維持管理(更新手続きや変更届の提出など)
経営管理責任者(経管)は、単なる管理者ではなく、企業の建設業務全体を統括し、法令を遵守しながら安定的に事業を運営する重要な役割を担っています。
建設業許可を維持するためにも、適切な経験と知識を持ち、組織の経営をリードすることが求められます。
経営管理責任者の要件
経営管理責任者となるためには、下記の要件を満たしている必要があります。
1.常勤の役員であること
- 株式会社の場合:取締役・執行役員など
- 個人事業の場合:事業主本人または支配人
- 合同会社の場合:業務執行社員
2.経営経験を有すること
- 原則5年以上の建設業に関する経営経験が必要
- 「経営経験」とは、建設業の許可を受けた会社の役員や個人事業主としての経験
詳しくは「経営業務管理責任者の要件」をご確認ください。
このように、経営管理責任者として認められるためには、経営者としての実務経験が必要となるため、新規設立会社の場合、役員等に前職での経験が必要になります。さらに、常勤性が求められるため、他社の経営管理責任者との掛け持ちもできないため、注意が必要です。
経営管理責任者は、許可を受けている間は継続して配置している必要があります。万が一、退職等により1日でも不在となった場合、許可要件を満たせなくなるため、許可が取り消されてしまいます。
人材確保や後継者の育成など、経営者にとって悩みは尽きませんが、許可取り消しにならないためにも、複数人経営管理責任者となれる人材の育成が求められています。
最後に
経営管理責任者として認められるためには、実務経験を証明する必要があります。現状、経営管理責任者として認められるのか、あと何年の実務経験が必要なのかなど、確認したい方はぜひ一度ご相談ください。
また、建設業に関する各種ご相談を、お問い合わせフォーム(メール)より受け付けております。ご不明な点やご質問はお気軽にご相談ください。