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宅建免許とは

宅建免許は、宅地や建物の取引を、業として行う場合に必要な免許です。正式には「宅地建物取引業免許」といいます。
宅建免許は「宅地建物取引業法」に基づいて取得が義務付けられています。もし無許可で不動産の取引を行うと、法律違反となり処罰の対象となってしまいます。
宅建免許が必要な範囲
宅建免許は、不動産の「取引」を行う場合に必要となります。その「取引」にあたる行為として、「売買」「交換」「貸借」の3つが挙げられます。さらにこの3つの取引を、どのような立場で行うかによって、宅建免許が必要かどうかに関わってきます。
〇が宅建免許の必要な取引
区分 | 自己所有物件 | 代理 | 仲介・媒介 |
売買 | 〇 ※ | 〇 | 〇 |
交換 | 〇 | 〇 | 〇 |
貸借 | × | 〇 | 〇 |
※ 自己所有物件でも、業として繰り返し販売する場合には宅建免許が必要になります。
例)
宅建免許が必要なケース
以下のような業務を継続的に行う場合、宅建免許が必要です。
- 不動産の売買(自己所有の不動産を業務として繰り返し販売する場合も含む)
- 不動産の交換(不動産同士を交換する取引)
- 不動産の賃貸仲介(貸主と借主をマッチングする業務)
- 不動産の代理・媒介(不動産売買や賃貸契約の代理や仲介を行う業務)
宅建免許が不要なケース
- 個人が自分の不動産を売却する場合(業として行わない)
- 企業が自社の従業員向けに社宅を貸し出す場合
宅建免許の種類
宅建免許には、事業を行うエリアによって以下の2種類があります。
免許の種類 | 許可を出す機関 | 対象エリア |
国土交通大臣免許 | 国土交通省 | 2つ以上の都道府県にまたがる場合 |
都道府県知事免許 | 各都道府県知事 | 1つの都道府県内のみで営業する場合 |
「都道府県知事免許」は1つの都道府県内に事務所を設置する場合に、その設置する都道府県知事から受ける許可になります。事務所の数による違いはありません。
例)
パターン 1
東京都内に、本店を設け開業
→ 都知事免許
パターン 2
東京都内に、本店と支店の2店舗を設け開業
→ 都知事免許
「国土交通大臣免許」は2以上の都道府県にまたがって事務所を設置する場合に所得する免許です。申請は、主たる事務所を管轄する都道府県知事を経由して行います。
例)
パターン 1
東京都内に本店、千葉県内に支店を設置
→ 大臣免許
パターン 2
東京都内に、本店と支店の2店舗を設け開業
その後、本店を埼玉県内に移転
→ 大臣免許
パターン2のように、当居取得している免許の種類が変わる場合には、「免許替え」の手続きが必要になります。
宅建免許の要件
宅建免許を取得するためには、以下の要件を満たしている必要があり、免許申請の際には審査が行われます。
- 事務所を適切に設置していること
- 専任の宅地建物取引士を置くこと
- 欠格事由に該当しないこと
1. 事務所を適切に設置していること
宅建免許の申請時には、必ず事務所を設置している必要があります。また、事務所の形態も審査が行われます。賃貸住宅の一室や、他社と共同で使用する部屋などは、事務所として認められないこともあるため、注意が必要です。
2. 専任の宅地建物取引士を置くこと
各事務所には専任の宅地建物取引士を、5人に1人以上の割合で配置する必要があります。専任とは、その事務所に常に勤務していて、他事務所の専任の宅地建物取引士でない者であることが求められます。
3. 欠格事由に該当しないこと
欠格事由には、破産者で復権を得ない者や、禁固刑以上の刑を受けた者、暴力団関係者などが挙げられます。
また、過去に不正の手段によって宅建免許を受けた者や、免許の取り消し処分を受けている場合も、欠格事由に該当します。
詳しくは「宅建免許の要件について」をご確認ください。
宅建免許証の有効期間・更新
宅建免許証の有効期限は5年です。引き続き宅建業を営む場合、5年ごとに更新の手続きが必要です。
更新手続きの時期
更新手続きは、有効期間の満了日の90日前から30日前の間に、手続きを行う必要があります。有効期限が過ぎてしまうと、宅建免許証の効力が失われてしまうため、なるべく早めに更新手続きをする必要があります。
申請の流れ
宅建免許の申請から、営業開始までの流れは、以下のようになっています。
- 申請書作成、必要書類準備
- 申請
- 審査
- 宅建免許取得
- 営業保証金の供託
- 宅建免許証交付
1. 申請書作成、必要書類準備
申請に必要な書類を用意します。
必要書類の数は非常に多く、宅建免許申請で一番手間と時間がかかる作業です。

2. 申請
必要書類がすべてそろった段階で、申請を行います。
書類の不備や、追加資料の求めがある場合、対応後にステップ3に移ります。

3. 審査
審査には約40~50日ほどかかります。

4. 宅建免許取得
審査が完了し、問題がなければハガキによる通知が送られてきます。
この段階では、宅建免許の取得はできていますが、営業を開始するためには宅建免許証が必要なため、5.6のステップに移ります。

5. 営業保証金の供託
供託手続きの方法は2つあり、どちらを選んでも問題ありません。
- 営業保証金の供託
- 保証協会への加入
完了後、その旨を許可行政庁に届出を行います。

6. 宅建免許証交付
1~5までのすべてのステップが完了すると、宅建免許証が交付され、営業活動が可能になります。
最後に
上記のように、宅建免許の取得には多くの手間と時間がかかります。そのうえ、申請に不備があると審査に進めないため、開業が遅れることも考えられます。
弊社は宅建免許証所得に関する相談を承っております。申請に関するお悩みや、ご質問はお気軽にお問い合わせフォーム(メール)よりご相談ください。